「無料相談」が一番高くつくことがある
投資を始めたばかりの頃、銀行の窓口でNISA相談をしたことがある。担当者は親切だったが、勧められたのは信託報酬1.5%超の高コスト投信だった。今なら「それは買ってはいけない商品」とわかるが、当時はわからなかった。「無料で教えてくれる場所」が、実は最も高い買い物につながることがある。
注意すべき6つの相談窓口
①銀行の投資相談窓口:窓口担当者は自行の金融商品を売るインセンティブがある。手数料の高い商品を勧めることが多い。②証券会社の対面営業:回転売買(頻繁に乗り換えさせる)で手数料を稼ぐ構造がある。③保険会社のFP(ファイナンシャルプランナー):保険商品販売が主目的のFPは、投資より保険を勧める傾向がある。
④NISA相談会(百貨店・ショッピングモール開催):無料セミナーに見えても、裏は特定商品への誘導。⑤SNS・YouTubeで有料コミュニティ誘導するインフルエンサー:最初は無料情報を出して、最終的に月額課金や投資スクールに誘導する手口が多い。⑥「投資で○%確実」と言う業者:法律上、確実な利回りを保証する投資商品は存在しない。言った時点でアウト。
信頼できる情報源の条件
利益相反がないこと、商品を売っていないこと、情報が透明であること。金融庁の「金融サービス利用者相談室」や、日本FP協会の認定FP(独立系)は比較的信頼度が高い。自分で調べる力をつけることが、最終的に一番安上がりだ。僕が10年続けてきた経験則がここにある。
独立系FPとの付き合い方
誤解のないように補足しておくと、すべてのFP・アドバイザーが悪いわけではない。重要なのは「報酬体系がどうなっているか」だ。商品を売って手数料を得るFPと、時間単位で相談料を取る独立系FPでは、アドバイスの方向性が根本的に違う。
私が信頼できると思う情報源の条件は「自分が何かを売っていないこと」だ。金融庁のサイト、日経マネーの記事、Twitterで長年発信している独立系のFPなど、有料ではなくても参考になる情報は多い。お金を払わないと良い情報が得られないと思い込む必要はない。
私自身はほぼ独学だ。最初の1〜2年はネットと書籍で基礎を学び、実際に少額から動かして体で覚えた。日本製鉄の損切りやコシダカのナンピン失敗も、全部「自分で判断して自分で失敗した」からこそ、次に活かせる経験になっている。
迷っている方の参考になれば十分です。売買の判断はご自身の責任でどうぞ。
相談すること自体は、むしろ定期的にやった方がいい
ここまで相談窓口の見極め方を書いてきたが、FPに相談すること自体を否定したいわけではない。むしろ、今のペースで貯蓄・投資を続けたときに将来必要な資産額に届くのか、ライフプランを定期的に棚卸しする意味でFP相談は有効だと思っている。結婚、子どもの誕生、住宅購入など生活が変わるタイミングで、一度ライフプランを作り直すのはむしろ積極的にやった方がいい。
生命保険も同じだ。加入時のまま何年も見直していない人は多いが、保障額はライフステージに合わせて調整すべきものだと思う。過剰に持っていれば掛金が無駄になるし、逆に必要な保障が足りていないと、もしものときに残された家族が困ることになる。定期的な見直しは、お金の使い方としてもリスク管理としても理にかなっている。
大事なのは誰に相談するか・何を基準に判断するかであって、「相談すること」自体を避ける必要はない。
・IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)にはコミッションベース(商品販売手数料が収入源)とフィーベース(相談料そのものが収入源)の2種類があり、報酬体系でアドバイスの中立性が変わりやすい
・金融庁のウェブサイトでは投資家向けの中立的な基礎情報が無料で公開されている
「無料相談」が一番高くつくことがあるという経験は、多くの投資家が一度は通る道だと思う。情報源を選ぶ基準は「その人が何かを売っていないかどうか」に尽きると感じている。


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