投資をやっていると、一度は必ずやってしまうことがある。それが「ナンピン買い」だ。

下がった株をさらに買い増して平均取得単価を下げる。聞こえは合理的だが、実態は「損している株にさらにお金を注ぎ込む」行為でもある。私がはまったのはコシダカホールディングス(2157)、カラオケ「まねきねこ」を全国展開している会社だ。
最初の購入:業績回復期待で1,309円
2025年7月29日、1,309円で200株を購入した。コロナ後の外食・カラオケ需要の回復に期待していたし、財務体質も悪くなかった。「アフターコロナの恩恵を受けるはず」という読みで買い始めた。
ところが、買った直後から株価は緩やかに下がり始めた。
ナンピン:「平均を下げれば回収できる」という甘い計算
2026年2月24日、株価は1,162円まで下落していた。「ここで買い増せば平均取得単価が下がる。少し戻るだけで損失が圧縮できる」──そう考えて同じく200株を買い増した。
買い増し後の平均取得単価は約1,235円。「あと少し上がれば回収できる」という状況になったはずだった。でも株価は回収できるところまで戻らなかった。
現在:1,014円・含み損-87,000円
今は1,014円で400株を保有中。含み損は約-87,000円になっている。
損切りしてしまえばスッキリするのに、なぜかできない。持ち続けると不安だが、損を確定させるのも悔しい。「にっちもさっちもいかない」状態というのは、こういうことだ。
ナンピンで学んだこと
振り返ると、ナンピンを選んだ理由は「合理的な判断」ではなく「損を認めたくない」という心理だったと思う。最初に1,309円で買ったときの根拠(コロナ後の需要回復期待)は、時間が経つにつれて薄れていた。でも「平均単価を下げたい」という欲求が、その変化を直視させてくれなかった。
下がっている株には、下がっている理由がある。その理由が変わっていないなら、買い増しはただのリスク増加に過ぎない。
頭ではわかっていても実際にやってしまう。それが投資の難しさだと、-87,000円が教えてくれている。
💡 銘柄・企業の補足
コシダカホールディングス(2157)は「まねきねこ」ブランドで全国にカラオケ店を展開する会社です。カラオケ事業が主力で、全国に約700店舗を展開しています。女性向けフィットネス「カーブス」もグループ事業の一つで、こちらも全国規模で展開しています。
「ナンピン買い」という手法の仕組みを少し説明します。例えば1,000円で100株買った株が800円に下がったとき、さらに800円で100株買い増すと平均取得単価は900円になります。「あと100円上がれば回収できる」という計算です。ただしこの手法は「下がっている株がいつか戻る」という前提が必要で、その前提が崩れると損失が倍増します。
投資の世界に「落ちるナイフはつかむな(Don’t catch a falling knife)」という格言があります。下落中の株をつかもうとすると手を切る、という意味で、下がっている理由が解消されない限り買い増しはリスクの積み増しになる、という教訓です。
📊 加藤智也の分析メモ
ナンピンしてしまった理由を振り返ると、「合理的な判断」ではなく「損を認めたくない」という心理が大きかったと思います。
最初に買ったときの理由(コロナ後の需要回復期待)は、時間が経つにつれて薄れていました。でもナンピンすれば「損を確定しないで済む」という逃げ道が生まれて、その誘惑に負けました。「下がっているから安い」という発想も頭にありましたが、「なぜ下がっているのか」を正直に向き合えていなかったと思います。
今でも-87,000円の含み損を抱えていますが、これは「授業料」として受け入れています。ナンピンで一番学んだのは、「損切りラインを最初に決めておくこと」の重要性です。感情が入る前にルールを作っておけば、機械的に対処できる。損切りは失敗ではなく「次の投資のためにお金を解放する行為」という発想の転換が必要だと、-87,000円が教えてくれました。
このブログは加藤智也の個人的な投資日記です。特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資は自己責任でお願いします。


コメント