SpaceX株、上場後まさかの-28%——「IPOで儲かるのは誰か」を検証してみた

SpaceX株、上場後まさかの-28%——「IPOで儲かるのは誰か」を検証してみた - 加藤智也ノートのアイキャッチ画像 テーマ株・セクター

海外の投資ニュースレターで「SpaceXの熱狂も、結局IPOで得をするのは上場前に買えた人だけだった」という趣旨の記事を見かけた。話半分に聞いていたが、実際の株価推移を調べてみると、想像していた以上に乱高下していて、「IPOに乗り遅れた」と悔しがる必要はなかったのかもしれないと感じた。

上場から3ヶ月で何が起きたのか

SpaceXは2026年6月12日に上場し、公開価格は1株135ドルだった。初日の終値は161ドルで、公開価格から+19%というまずまずのスタートだった。ところがそこからが荒れた。上場からわずか4営業日後の6月16日には225.64ドルまで急騰したものの、その後3営業日連続で下落。7月末には116.49ドルまで沈み、公開価格を14%近く下回る場面もあった。8月末時点でようやく137ドル前後まで戻したが、これは公開価格とほぼ同水準に過ぎず、6月につけた高値からは4割近く値を下げたままだ。「熱狂の中で上場し、初日は好調、その後は乱高下」という、ある意味で教科書通りの値動きだったとも言える。

「IPOで儲かるのは上場前に買った人だけ」という指摘

今回読んだ海外の記事が指摘していたのは、SpaceXに限らず、Uber・Meta・Robinhood・Duolingoといった近年の大型IPO銘柄が、軒並り上場から半年以内に株価を半分近くまで落としているという傾向だった。上場前に投資できるのは創業者や関係者、大口の機関投資家がほとんどで、個人投資家が実際に買えるのは上場後、つまり最も期待値が織り込まれた後のタイミングになりやすい。「話題のIPOに乗り遅れた」と焦って高値づかみをするより、上場直後の熱狂が落ち着くのを待ってから判断する方が、結果的にリスクを抑えられるケースが多い、というのは実際の値動きを見ると納得感がある。

なぜ大型IPOほど乱高下しやすいのか

SpaceXのような超大型IPOは、上場前の期待値そのものが極端に高くなりやすい。話題性が高いほど個人投資家の資金が短期間に集中し、初動で急騰しやすい一方、その後は「期待先行だったのでは」という冷静な見方が広がり、利益確定売りも重なって急落する構図になりやすい。加えて、上場直後はロックアップ期間(創業者や既存株主が一定期間株式を売却できない制限)が明けるタイミングで、大量の売り圧力が発生することもある。話題性の高さと値動きの荒さは、ある意味でセットになっているというのが実情だ。

投資家目線:「上場前に買えなかった」ことを悔やむ必要はない

自分はAnthropicのIPOに向けて事前準備の情報を追いかけているが、今回のSpaceXの値動きを見て、「上場前に投資できないこと」自体をそこまでネガティブに捉える必要はないと感じ方が変わった。むしろ上場直後の値動きが落ち着くのを待ち、企業の実際の業績や事業の進捗を確認してから投資判断をする方が、感情に流されずに済む。IPO投資は「早く乗るほど得」というイメージがあるが、実際のデータを見る限り、「早すぎる参加」がむしろリスクになっているケースも多いというのが実態だった。

今後のシナリオ:楽観・中立・慎重の3パターン

SpaceXの今後については断定できないが、いくつかのシナリオが考えられる。楽観シナリオは、Starlinkや今後の宇宙関連事業の成長を市場が再評価し、株価が高値圏を再び目指すケース。中立シナリオは、公開価格前後でのレンジ相場が当面続き、業績次第で緩やかに方向感が出てくるケース。慎重シナリオは、宇宙関連ビジネスの収益化に時間がかかることが意識され、株価が公開価格を割り込む展開が続くケースだ。どのシナリオになるかは、今後の決算内容や事業進捗を見ながら判断する必要がある。

💡 補足

・「ロックアップ期間」とは、IPO後に創業者や既存株主が一定期間(通常90〜180日程度)株式を売却できないよう制限する仕組み。期間終了後は売り圧力が強まりやすい
・IPO直後の株価は、企業の実力そのものよりも市場の期待値や需給要因に左右されやすく、上場から半年〜1年程度は値動きが荒くなりやすい傾向がある

📊 加藤智也の分析メモ

「話題のIPOに乗り遅れた」と焦る気持ちは自分にも覚えがあるが、実際の値動きを数字で追ってみると、焦って飛びつくよりも少し様子を見た方が合理的なケースの方が多いのだと改めて実感した。派手なニュースほど、一呼吸置いて数字を確認する癖をつけたいと思う。

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。株価データは2026年9月時点で公表されている情報に基づいており、今後の値動きにより内容が変わる可能性があります。投資判断はご自身の責任で行ってください。

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