含み損が膨らむ夜、スマホを見るのが怖くなった
2022年の金利上昇局面で、保有しているETFの含み損がみるみる膨らんだ。HYGやJNKといった債券ETFも下落し、毎晩ポートフォリオを確認するのが苦痛になっていた。「今売れば損失が確定するが、これ以上持ち続けていいのか」という葛藤が続いた。
あの経験が、感情と投資の関係を考えるきっかけになった。
暴落時に売りたくなる気持ちは「正常」だ
暴落時に「早く逃げたい」と感じるのは、人間として自然な反応だ。でも投資においては、この感情が最大の敵になる。歴史的に見ると、暴落の底で売ってしまうことが最も損失を大きくするパターンだ。
私が実践しているのは、積立の自動化だ。オルカンは毎月10万円、自動で引き落とされる設定にしている。相場が下がっているときも、上がっているときも、何もしなくていい。感情が入る余地をあらかじめ排除しておく。
暴騰時の「もっと買いたい」も危険
逆に暴騰時も油断できない。NVDAが急騰したとき、「もっと買っておけばよかった」という後悔と「今から追加で買うべきか」という焦りが同時にやってきた。追加で買ったが、その後すぐに調整が来た。
上がっているものを追いかける行動は、「高値つかみ」になるリスクが高い。ルールとして「追加購入は定期積立以外はしない」と決めてから、判断が楽になった。
感情をコントロールするのではなく、感情が入らない仕組みを作る
私の結論は、感情をコントロールしようとするより、感情が入らない仕組みを作る方が現実的だということだ。自動積立・リバランスのルール化・ポートフォリオの定期確認頻度を下げる。これだけで、相場の波に感情を揺さぶられることが格段に減った。
実際に暴落を経験したときの私の心理
2022年の相場下落は私にとって「株式投資10年間で最もきつかった局面」の一つだ。NVDAもAAPLもMETAも全て大幅下落した。含み損が数十万円になったときは「もうやめたい」という気持ちも正直あった。
そのとき私がやったことは「画面を見る回数を減らす」だった。毎日ポートフォリオを確認していると、下落のたびに感情が揺れる。週に1回、もしくは月1回確認するくらいにペースを落とした。積立だけは自動で続けた。
結果として、2022年の下落局面に積み立てた分が今の大きな含み益の一部になっている。「暴落のとき売らなかった」という判断が正しかった、と後から言うのは簡単だ。でも実際の暴落中は「まだ下がるかも」という恐怖がある。それでも動かずにいられたのは、「長期でインデックスは上がってきた」という歴史への信頼があったからだと思っている。感情に任せず、ルールに従う。これが暴落時の正解だと今も思っている。
難しい局面ほど、冷静に自分の基準に戻ることが大切だと感じています。投資判断はご自身でどうぞ。
・行動経済学でいう「損失回避」は、人は同額の利益より損失の方を強く感じやすいという性質で、暴落時の狼狽売りの一因とされる
・2020年のコロナショックでは主要株価指数が数ヶ月で急落した後、1年以内に多くが下落前の水準を回復した
ポートフォリオを見る回数を減らしたのは、感情の揺れを物理的に減らす工夫だった。「見なければ動揺しない」というシンプルな対策が、意外と効果的だったと感じている。


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