数年前まで「インフレ」なんてほとんど意識したことがなかった。物価が上がり続けるのが当たり前になってから、初めて「現金で持っているだけでは損をする」という感覚が身についた気がする。そのタイミングで耳にしたのがMMT(現代貨幣理論)という考え方だ。
MMTと積極財政、ざっくり私の理解
私が調べた限りでは、MMTは「自国通貨を発行できる政府はインフレが許す限り財政支出を拡大できる」という理論だ。国債を大量発行しても、それが国内経済の需要刺激につながるなら問題ないという考え方とも言える。日本の財政政策の議論でもたびたび登場する。
正直、これが「正しい」かどうか私には判断できない。経済学者の間でも意見が分かれる。ただ、「政府が財政出動を続けるなら、インフレは続きやすい」「インフレが続くなら現金の価値は目減りしていく」という流れは肌感覚として理解できる。
インフレ環境で私がやっていること
インフレが続く時代に現金だけで資産を持つのはリスクがあると感じている。私が実践しているのは、インフレに強いとされる資産への分散だ。具体的にはVOO・VT・VYMといった米国ETFをNISAで積み立てている。株式は企業の売上・利益がインフレに伴って名目上は増加しやすいので、長期的にはインフレへの耐性がある、という見方もある。
また、配当を出してくれるSPYDやJEPIは毎月・四半期の収入として実感しやすく、インフレで生活費が上がっても「配当収入が増えれば多少カバーできる」という心理的安心感がある。
難しいことより「行動」が先
MMTや積極財政の議論は奥が深く、私も完全に理解しているわけではない。ただ、「インフレが続くなら現金だけではマズい」という認識を持って、少しずつ投資に踏み出したことは結果的に良かったと思っている。理屈を完全に理解してから動こうとすると、いつまでも動けない。まず少額でも始めてみることが大事だと感じている。
私がMMT(現代貨幣理論)という概念を知ったのは、積極財政の議論を調べている中だった。「国の借金は国民の資産」という考え方は直感的には理解しにくいが、日本の財政政策を読む上で一定の視点を提供してくれる。私の投資スタンスは「政策の方向性を理解した上で、恩恵を受けるセクターに配分する」だ。インフレが続く環境で現金を持ち続けることのリスクを理解した上で、株式投資を継続する根拠にしている。
投資に正解はありません。でも、情報を増やすことで選択肢は広がります。判断はご自身で。
・MMTを提唱した代表的な経済学者はステファニー・ケルトン教授。「政府の赤字は民間の黒字」という発想が理論の核になっている
・日本は主要国の中でも政府債務残高の対GDP比が突出して高いが、現時点で深刻なハイパーインフレには至っていない点が、MMT支持者がしばしば挙げる論拠の一つ
財政政策のニュースを見るたびに感じるのは、理論の正しさが決着するのを待ってから動くと投資のタイミングを逃すということ。正解が出るのを待つのではなく「インフレが続いた場合に困らない準備」を先にしておく方が実践的だと思っている。
なお、新FRB議長のインフレへの姿勢は別の記事でも書いているので、興味があれば合わせて読んでほしい。
物価上昇が続く理由についても別記事で書いている。(物価上昇が続く理由の記事)


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