旅行ブームはまだ終わっていなかった話──ジェットエンジンを作る会社という投資視点

旅行ブームはまだ終わっていなかった話──ジェットエンジンを作る会社という投資視点 - 加藤智也ノートのアイキャッチ画像 テーマ株・セクター

最近、海外の投資情報を読んでいて「あれ、旅行ブームってまだ終わってなかったんだ」と気づかされる数字に出会った。

2019年、コロナ前で最後にフルで飛んでいた年、世界の航空会社は約45億人の乗客を運んでいた。それが今年は51億人以上を運ぶ見込みだという。単純計算で、コロナ前より6億人分も乗客が増えていることになる。

座席利用率84%、過去最高の空の混雑

しかも中身がさらに濃くなっている。今年の座席利用率は約84%で過去最高水準らしい。飛行機の便数が増えただけでなく、1機あたりの座席もこれまで以上にぎゅうぎゅうに埋まっているということだ。

旅行支出のデータも景気がいい。アメリカ人の今年の旅行予算は平均で約6,354ドル(前年比+12%)、なかでもベビーブーマー世代は+19%増という調査もある。退職してお金と時間の両方を手にした世代が、世界中を飛び回っているというわけだ。自分はまだGEもボーイングも保有していないが、こういう「モノを作って売る会社が、長期の需要増をそのまま享受する」構図は個人的に好きなテーマだ。

ボーイングが見ている「20年で需要倍増」という未来

飛行機を作る側の長期予測も強気だ。ボーイングは今後20年で世界の航空需要が倍増すると見ていて、それに対応するには2045年までに約4万4000機の新造機が必要になると試算している。市場規模にすると7.8兆ドルという、ちょっと現実感の薄い数字だ。

この巨大な需要を下から支える会社の一つとして、海外の投資情報で紹介されていたのが「GEアエロスペース」(GE Aerospace、ティッカー:GE)だった。

ジェットエンジンの巨人、GEアエロスペース

GEアエロスペースは、2024年に旧ゼネラル・エレクトリックが3社に分社化された際に誕生した会社で、ジェットエンジン製造の世界的大手だ。仏サフラン社との合弁会社「CFM International」を通じて、世界の商用航空機のかなりの割合にエンジンを供給している。

商用機向けだけでなく、米軍の戦闘機・輸送機・ヘリコプター向けエンジンも手がける防衛企業の顔も持っていて、さらに「AiXROS」というドローン・無人機事業への展開も進めているという。「今あるジェットエンジンの会社」であると同時に、防衛・ドローンという次の成長市場にも足を伸ばしている構図になる。

直近四半期の1株当たり利益は前年比+24%。このペースが続けば、3年程度で利益がほぼ倍になる計算になるらしい。

💡 GEアエロスペースの補足

・2024年、旧ゼネラル・エレクトリックはGEアエロスペース、GEヘルスケア、GEベルノバの3社に分割された
・CFM Internationalは仏サフラン社との折半出資の合弁会社で、世界で広く採用されている商用ジェットエンジン「CFM56」「LEAP」シリーズを製造している

📊 加藤智也の分析メモ

自分はまだGEもボーイングも保有していないが、「乗客が増える→座席が埋まる→航空会社が新型機を発注する→エンジンメーカーが儲かる」という一本道の構図はわかりやすくて嫌いじゃない。今のポートフォリオではシンガポール航空(SIAL)を保有していて含み益が出ているが、これも同じ旅行需要拡大の恩恵を受けている銘柄だと思っている。エンジンメーカー側からもこのテーマに乗れないか、まずはウォッチリストに追加しておこうと思う。

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。将来の業績や株価を保証するものではないため、投資判断は必ずご自身の責任で行ってください。

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