個人向け国債が年2%近くへ──リスクゼロで2%の時代、株式投資の意味は変わるか

個人向け国債が年2%近くへ──リスクゼロで2%の時代、株式投資の意味は変わるか - 加藤智也ノートのアイキャッチ画像 マクロ・資産防衛

「2%無リスクで取れる」時代が来たとき、株式投資の意味を問い直した

個人向け国債(変動10年)の金利が、かつてのゼロから大きく上昇してきた。ついに年2%近くに届きそうな水準になってきた時点で、私は少し立ち止まって考えた。リスクをとって株式で年5〜7%を狙うより、国が保証する債券で2%の方が合理的ではないか、と。

個人向け国債の魅力を正直に評価する

個人向け国債(変動10年)の最大の特徴は、元本保証と市場金利への連動だ。金利が上がればその恩恵を受け、最低金利も保証されている。購入窓口も銀行や証券会社で手軽だ。私も検討はしている。特に「絶対に減らしたくないお金」の置き場所として、現実的な選択肢になってきた。

ただ正直に言うと、まだ大きく動いていない。理由は次に書く。

それでも株式投資をやめない理由

2%は魅力的だが、私がオルカンやVOOを積み立て続けているのには理由がある。過去30年の全世界株式の平均リターンは年7〜8%程度だ。2%との差は、長期で複利がかかると非常に大きくなる。

また、インフレのことを考えると2%でもギリギリラインの場合がある。物価が年2〜3%上昇する環境では、実質リターンはほぼゼロになる可能性もある。

だから私のスタンスは「国債で守る部分と、株式で増やす部分を分ける」だ。全部株式は怖いが、全部国債では増えない。無リスクで2%の時代は、選択肢が増えたということ。自分のリスク許容度に合わせた設計ができるようになった良い変化だと思っている。

私の「国債+株式」の現時点のバランス

具体的に言うと、私は今の時点で個人向け国債は保有していない。ただ、「絶対に減らしたくないお金」がある程度まとまってきたら購入を真剣に考えている。2026年現在の変動10年の金利水準は、以前の「ゼロ同然」の時代とは別物だ。

私のポートフォリオの中でリスクを抑えた部分を担っているのは、JNK・HYGなどのハイイールド債ETFと、IGIB・VCITなどの社債ETFだ。これらは今のところ若干の含み損が出ているが、配当で補いながら長期で持つスタンスだ。個人向け国債はこれらより安全度が高い分、リターンも控えめだが、信用リスクがほぼゼロというのは他では代替できない特性だ。

「2%無リスク」は魅力的だが、それだけに全力にするのも違う。株式と債券・国債を組み合わせて、「減らしたくないお金」と「増やしたいお金」を分けて管理する。この発想が長期投資の基本だと、10年やってきて今も思っている。

もちろん投資判断はご自身で。こういう視点があることを知っておくと、次の判断が少し変わるかもしれません。

💡 補足

・個人向け国債(変動10年)は半年ごとに適用金利が見直され、最低金利保証0.05%が設定されている
・元本割れせず、1年経過後は中途換金も可能という点で、他の債券と比べても流動性・安全性のバランスが良い商品とされる

📊 加藤智也の分析メモ

「無リスクで2%」は魅力的だが、それだけに全振りするのも極端だと思う。株式・債券・国債を目的別に組み合わせる発想が、結局は一番失敗しにくいと感じている。

なお、金利のある世界がやってきたという大きな変化は別の記事でも書いているので、興味があれば合わせて読んでほしい。

「金利のある世界」がもたらす変化については別記事で書いている。(「金利のある世界」の記事)

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