信託報酬の差、30年で872万円——手数料の複利ダメージを試算してみた

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「信託報酬なんて年1〜2%の差だから大した違いはないだろう」——投資を始めたばかりの頃、自分もそう思っていた。ところが実際に複利で30年分計算してみたら、想像以上に恐ろしい数字が出てきたので、今回はその話をまとめておきたい。

月3万円を30年間積み立てたら、手数料の差はいくらになるか

毎月3万円を30年間積み立てるケースで、信託報酬の違いによって最終的な資産額がどう変わるかを試算してみた。市場全体の期待リターンを年率5%と仮定し、そこから信託報酬を差し引いた「実質リターン」で複利計算している。

  • 低コストのインデックスファンド(信託報酬0.1%、実質リターン4.9%):30年後は約2,451万円
  • 平均的なアクティブファンド(信託報酬1.5%、実質リターン3.5%):30年後は約1,906万円
  • 高コストなアクティブファンド(信託報酬2.6%、実質リターン2.4%):30年後は約1,579万円

元本(30年間の積立総額)はどのケースも同じ1,080万円だが、最終的な資産額には最大で872万円もの差が生まれる計算になった。信託報酬の差だけを見ると「1〜2%くらい」としか感じないが、それが30年という時間の中で複利的に効いてくると、ここまで大きな開きになるということが、実際に数字を出してみて初めて実感できた。

なぜ「わずかな差」がここまで拡大するのか

信託報酬は毎年、運用資産全体に対してかかり続けるコストだ。運用初期はまだ資産額が小さいので影響も小さく見えるが、資産が積み上がっていくほど、同じ%でも差し引かれる金額そのものが大きくなっていく。しかも複利運用では「今年減った分」が来年以降の運用の元手からも失われることになるため、時間が経つほど差は雪だるま式に広がっていく。1〜2%という数字の小ささに惑わされず、それが何十年も積み重なるという前提で考える必要がある。

投資の鉄板と言われる「長期・分散」に、最もフィットするのはどちらか

「投資は長期・分散が基本」というのはよく言われる話だが、この鉄板ルールと最も相性がいいのは、実はインデックスファンドの方だ。長期になればなるほど信託報酬の複利ダメージはアクティブファンドに重くのしかかる一方、インデックスファンドは低コストを維持したまま、市場全体に幅広く分散した状態を保ち続けられる。「長期で持つ」という前提に立つなら、コストの差が効いてくる分だけ、インデックスファンドの方が理にかなった選択だと言える。

投資家目線:自分が積立額を増やす前にまず見直したこと

自分自身、投資を始めた当初は信託報酬をあまり気にせず、なんとなく名前を聞いたことのあるファンドを選んでいた時期もあった。しかし今回のような試算を自分でやってみて以来、まず信託報酬の低さを確認してから商品を選ぶようになった。積立額を増やすより先に、無駄なコストを削ることの方が、長期的なリターンへの影響は大きいのだと実感している。

💡 補足

・「信託報酬」は投資信託を保有している間、運用会社・販売会社・信託銀行に支払い続ける手数料で、資産残高に対して年率で計算される
・今回の試算はあくまで一定の前提(市場リターン年5%、複利計算)に基づく単純化したモデルであり、実際の運用成果を保証するものではない

📊 加藤智也の分析メモ

「手数料の差くらい大したことない」と思っていた過去の自分に、この試算結果を見せてやりたい気持ちになった。数字にしてみて初めて実感が湧く類の話は、投資の世界には他にもまだありそうだと感じている。

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品への投資を推奨するものではありません。試算はあくまで一定の前提に基づく単純化したシミュレーションであり、将来の運用成果を保証するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

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