「何の株で一番リターンが出ましたか?」と聞かれると、METAやTSMと答えたくなる。でも実は、そのどちらとも引けを取らないリターンを出している地味な銘柄がある。

ミューラーインダストリーズ(MLI)。おそらく99%の日本人投資家が名前を知らない米国の素材メーカーだ。
MLIとはどんな会社か
ミューラーインダストリーズは米国テネシー州に本社を置く、銅・真鍮・アルミ製品のメーカーだ。配管部品・空調用部材・建設向け素材などを製造している。
AIでもなく、EVでもなく、量子コンピューターでもない。地味の極みのような事業だ。投資メディアでほぼ取り上げられることもない。
取得単価.68 → 現在.18(+210%)
私の取得単価は$20.68。現在値は$64.18で、含み益は+210%になっている。
META(+306%)やTSM(+306%)には及ばないが、同じ期間でNVDA(+90%)よりはるかに高いリターンだ。投資メディアを毎日チェックしていれば必ず目にするNVDAより、誰も知らないMLIの方が2倍以上のリターンを出している。
なぜMLIが上がったのか
大きな理由は2つあると見ている。
一つは米国の旺盛なインフラ需要だ。バイデン政権以降の大型インフラ投資法案で、建設・配管・空調向けの銅製品の需要が拡大した。MLIはその直接的な恩恵を受けた。
もう一つは銅価格の上昇。AIデータセンターの電力インフラ拡充、EV普及に伴う配線需要増加で、銅の需要は世界的に増えている。銅を扱うMLIには追い風だ。
「地味株」が強い本当の理由
MLIを通じて感じているのは、話題になっていない銘柄ほど割安に放置されやすいということだ。
NVDAやMETAは誰もが注目するから、良いニュースは即座に株価に織り込まれる。でもMLIを見ている投資家は少ない。業績が着実に改善していても、市場の評価が追いつくのに時間がかかる。その「割安の期間」が長期保有者には有利に働く。
今もMLIは保有を続けている。配当も継続して出してくれているので、持っている理由がなくなるまで手放すつもりはない。
💡 銘柄・企業の補足
ミューラーインダストリーズ(MLI)は1917年創業、100年以上の歴史を持つ米国の素材メーカーです。本社はテネシー州メンフィス。銅・真鍮・アルミを加工した配管継手・弁・空調部材などを製造し、北米建設市場で高いシェアを誇ります。
時価総額は約50億ドル(約7,000億円)。日本で言えばそこそこの中堅企業規模ですが、米国では「地味だけど強い」企業の典型として知る人ぞ知る存在です。業績好調時には通常の配当に加えて「特別配当」も実施しており、株主還元にも積極的です。
「銅」という素材の重要性も押さえておきましょう。銅はEVの配線・モーター・バッテリー冷却システム、AIデータセンターの電力インフラ、太陽光発電パネルの配線など、現代の脱炭素・デジタル化の全ての場面で必要とされる素材です。代替が難しく、需要が年々増加している「時代の素材」でもあります。
📊 加藤智也の分析メモ
正直、ここまで上がるとは思っていなかった銘柄です。取得時の理由は「配当が安定していて地味だから割安じゃないか」という程度のものでした。
振り返ると、値上がりの理由は主に2つだと見ています。ひとつは米国の大型インフラ投資法案(インフラ投資・雇用法)による建設需要の拡大で、MLIの銅製品が直接恩恵を受けました。もうひとつはAI・EVブームに伴う銅の需要増加で、銅価格が世界的に上昇したこと。MLIは銅を扱う会社なので、素材価格の上昇がそのまま業績に反映されました。
NVDAよりリターンが高い理由は、NVDAは誰もが注目しているので良いニュースが即座に株価に織り込まれるのに対し、MLIを追っている投資家が少ないため、業績改善が株価に反映されるまでタイムラグがあったからだと思っています。「割安に放置される期間」が長期保有者には有利に働いた、というのが自分なりの解釈です。
このブログは加藤智也の個人的な投資日記です。特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資は自己責任でお願いします。


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