誰も語らない老後の”最大リスク”──介護費用は平均600万円超、7割以上が直面する現実

誰も語らない老後の”最大リスク”──介護費用は平均600万円超、7割以上が直面する現実 - 加藤智也ノートのアイキャッチ画像 マクロ・資産防衛

老後設計の試算をしていて「介護費用」という盲点に気づいた

最近、自分の老後の資産計画を見直す機会があった。年金の見込み額を確認して、投資資産がどれくらい積み上がりそうかを試算していたのだが、ある数字に目が止まった。介護費用の平均負担額だ。

生命保険文化センターのデータを調べてみると、介護期間中の総費用の平均は生涯で500〜700万円になるとされている。施設介護を選べばさらに増える。そして統計上、70代以降に何らかの介護を必要とする人の割合は7割を超えるという。

「自分は元気だから大丈夫」という思い込みが一番危ない

これを知ったとき、私は正直ドキッとした。年金と投資リターンの計算だけしていて、「介護コスト」を全く老後設計に組み込んでいなかったからだ。

介護が必要になるタイミングは選べない。しかも配偶者や親の介護も加わることがある。夫婦2人分の介護費用を合算すると、1000万円を超えるシナリオも普通に起こりうる話だ。

私が積み立てているオルカンやS&P500の投信が長期的に増えていくとしても、80代でまとまった介護費用が発生したとき、そこから強制的に取り崩すことになれば複利の恩恵が半減してしまう。

では何をしておくべきか──私なりの考え

介護費用リスクへの備えとして私が考えているのは主に3つだ。

まず、高配当株・ETFによるキャッシュフローを老後に厚くしておくこと。SPYD(1427株)やVYM(182株)・JEPI(200株)からの配当収入が積み上がれば、「介護費用の一部を配当で賄う」という発想が生まれる。元本を取り崩さずに済む構造を作ることが一番の対策だと思っている。

次に、介護保険の民間商品を50代のうちに真剣に検討すること。公的介護保険だけでは到底足りない部分を、民間で補う選択肢が現実的だとわかった。

最後に、住む場所の選択。介護が必要になったとき、どこに住んでいるかで費用が大きく変わる。地方と都市部では施設費用の差が月10万円以上になることもある。老後設計は「年金+投資リターン」だけで終わらない。介護コストを最初から組み込んだ設計が必要だとあらためて感じた。

私が介護費用を意識し始めたのは、親が70代に入ってからだ。「元気な今のうちに準備する」という意識が、資産形成の目的を「老後の生活費+介護費用」に広げた。iDeCoやNISAの積立は、自分の老後だけでなく、万一の介護費用の補填も視野に入れている。「平均600万円超」という数字は怖いが、だからこそ今動く理由になる。最悪の想定を知ることが、最良の準備につながる。

迷っている方の参考になれば十分です。売買の判断はご自身の責任でどうぞ。

💡 補足

・生命保険文化センターの調査では、介護の平均期間は約5年、住宅改修などの一時費用込みで総額500〜700万円という試算が一般的
・施設介護と在宅介護では費用差が大きく、都市部と地方でも月10万円以上の差が出ることがある

📊 加藤智也の分析メモ

介護費用を意識し始めたのは親の年齢がきっかけだったが、「元気なうちに準備する」という発想に変わってから、資産形成の目的が老後の生活費だけでなく家族全体のリスク管理に広がった。

なお、金利は卒業時に決まるという別の落とし穴は別の記事でも書いているので、興味があれば合わせて読んでほしい。

年金制度そのものへの不安については別記事でも書いた。(年金は信じるなの記事)

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