最近、駅前やショッピングモールでカプセルトイの機械がずらりと並んでいる光景をよく見かけます。「あれ、こんなに増えた?」と感じた人も多いのではないでしょうか。実際、日本カプセルトイ協会の調査によると、2025年度の市場規模(製造元の出荷ベース)は約1,960億円と過去最高を更新。前年度比で39%増という、かなりのハイペースで拡大しています。専門店も2026年1月末時点で全国900店舗を突破しました。
私自身、正直この数字を見るまでは「子供の遊び」という昔のイメージのままでした。今回はガイドラインならぬ「市場データ」を入り口に、なぜここまで熱狂が広がっているのか、投資家目線も交えて掘り下げてみます。
「ガチャガチャ」は実は商標だった
余談ですが、私たちが普段「ガチャガチャ」「ガチャポン」と呼んでいるあの機械、実はメーカーの商標登録です。発祥は日本ではなくアメリカで、そこから独自の進化を遂げて今の形になったというのも、調べてみて初めて知りました。身近すぎて、ルーツを気にしたことがなかったです。
主役は「大人」に変わった
昔は完全に子供向けのおもちゃという位置づけでしたが、いまは購入者の中心が大人にシフトしています。背景にあるのが「推し活」との融合です。推し活市場そのものは調査によって幅がありますが、3兆円台〜4兆円規模まで拡大しているとされ、国内の清涼飲料市場に匹敵する規模とも言われています。カプセルトイの1,960億円は、この巨大な推し活経済のごく一部に過ぎませんが、「限定グッズを手に入れたい」「全種類集めたい」という消費心理は、推しのグッズを追いかける行動とほぼ同じ構造だと感じます。
さらにインバウンド需要も無視できません。訪日客にとってクオリティの高いミニチュアやキャラクターグッズは格好の「お土産」になっていて、これも市場拡大の一因になっています。物価高の影響で、価格帯も1回300円から500円あたりが主流になってきました。
「全部集めたい」を仕掛ける設計
カプセルトイの面白いところは、ランダム性そのものが購買動機になっている点です。「今度は何が出るか分からない」というワクワク感が、1回で満足せず何度も機械の前に戻らせる。全種類コンプリートしたい欲求を刺激する設計は、正直よくできているなと感心します。一方で、この「やめられなさ」をどうコントロールするかは、業界としても向き合うべき課題だと思います。
環境面では、使用済みカプセルの回収・リサイクルの取り組みも進んでおり、サステナブルな運営を意識する動きも出てきています。
保有銘柄にはないが、次の決算は覗いてみたくなる
正直に言うと、私のポートフォリオにカプセルトイ関連の銘柄は入っていません。ただ、この1,960億円・39%増という数字を見ると、次の四半期決算はちょっと覗いてみたくなる。そんなテーマだと感じています。
ど直球の関連銘柄
・バンダイナムコホールディングス(7832):国内カプセルトイ市場で推定シェア約6割。「ガシャポン」ブランドが市場成長を牽引する最大手
・エスケイジャパン:メーカーと販売店をつなぐ中間流通大手。バンダイナムコHDが株式26%を保有する筆頭株主関係にある
一歩引いた視点の「スパイス」銘柄
・イオンファンタジー:本業はショッピングモール内のゲームセンター運営。カプセルトイ専門店「TOYS SPOT PALO」を併設し、モールへの来店動線や滞在時間を伸ばす“場所を提供する側”というユニークな立ち位置
・ハピネット:玩具流通の総合商社的存在。カプセルトイ専門店「ガシャココ」を展開しつつ、映像配給などの事業も併せ持つ
カプセルトイ市場を調べていて一番面白かったのは、玩具メーカーだけでなく「場所を貸す側」のイオンファンタジーのような企業まで恩恵を受けている点です。ブームの裾野が広がるほど、直接のメーカー以外にも投資機会が波及していく典型例だと感じました。推し活という大きな消費トレンドの中に、カプセルトイのような小さいけれど熱量の高い市場が組み込まれている構造は、今後も似たテーマを探すときのヒントになりそうです。
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。


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