この記事は「2026年10月の制度変更まとめ」シリーズの1本です。全体像はこちら → 2026年10月、家計にガツンと来る制度変更まとめ
2026年10月から、最低賃金が全国で段階的に引き上げられていく。令和8年度の地域別最低賃金は、全国加重平均で1,177円(前年比+56円、+5.0%)と、目安制度が始まった昭和53年度以降で2番目に大きい上げ幅になった。ただし全国一斉ではなく、都道府県ごとに10月1日から12月2日にかけて順次発効していく点は覚えておきたい。
主要都市の新しい最低賃金
| 都道府県 | 新しい最低賃金 | 発効日 |
|---|---|---|
| 東京都 | 1,280円 | 10月1日 |
| 神奈川県 | 1,279円 | 10月1日 |
| 大阪府 | 1,231円 | 10月1日 |
| 愛知県 | 1,195円 | 10月1日 |
| 北海道 | 1,131円 | 10月1日 |
| 福岡県 | 1,114円 | 10月4日 |
| 宮崎県 | 1,085円 | 順次 |
最高額(東京都1,280円)に対する最低額(宮崎県など1,085円)の比率は84.8%で、前年の83.4%からわずかに縮まっている。地域間の格差は依然大きいものの、少しずつ縮小の方向に向かっているようだ。
中小企業向けの助成金もセットで用意されている
賃上げをする中小企業向けには、2026年9月1日から「業務改善助成金」の申請受付が始まっている。賃上げ額に応じて50円・70円・90円の3区分があり、助成上限は一般コースで450万円、特例コースで600万円。事業場内の最低賃金が1,050円未満なら助成率4/5、それ以上なら3/4になる。申請期限は各都道府県の最低賃金発効日の前日か、11月30日のどちらか早い方だ。
加藤智也の視点:パートで働く人ほど”ダブルの変化”に注意
最低賃金の引き上げ自体は、時給で働く人にとって単純にありがたい話だと思う。ただ、詳しくはこちら → 社会保険「106万円の壁」撤廃、手取り逆転ラインを試算してみた。この記事で書いたセットで考えると、時給が上がって労働時間もそのままなら、より早いタイミングで社会保険の加入ライン(週20時間以上)に到達してしまう人も出てくるはずだ。手取りが増えると思って喜んでいたら、社会保険料の天引きで思ったほど増えなかった、ということも起こりうる。時給アップのニュースだけを見て安心せず、自分の働き方全体でどう影響してくるかを合わせて確認しておいた方がいいと思う。
💡 補足
・最低賃金は毎年、中央最低賃金審議会が示す目安をもとに、各都道府県の地方最低賃金審議会が実際の金額を決定する
・自分の勤務地の正確な発効日は、都道府県労働局のホームページで確認するのが確実
📊 加藤智也の分析メモ
56円という上げ幅の大きさにまず驚いたけど、中小企業向けの助成金もセットになっているのを見て、政府としても急激な負担増に配慮しようとしているのが伝わってきた。働く側・雇う側、両方の目線で見ておきたいニュースだと思う。
※本記事は厚生労働省等の公表資料をもとにした情報提供を目的としており、個別の賃金・助成金の適用可否を保証するものではありません。詳細は各都道府県労働局・厚生労働省の公式情報をご確認ください。


コメント