「アクティブファンドの運用資産額をインデックスファンドが超えた」というニュースを見て、正直かなり驚いた。「アクティブファンドはまだまだ主流」というイメージが自分の中にあったからだ。せっかくなので、この逆転が実際どれくらいの差だったのか、そして本当に初心者層の増加やインデックス投資の考え方が浸透してきた結果なのか、調べられる範囲で確認してみることにした。
2026年9月11日、初めての逆転
2026年9月11日時点で、日本国内のインデックス型投資信託の純資産総額は77兆9,900億円となり、アクティブ型投資信託の77兆8,700億円を初めて上回った。差はわずか100億円程度で、僅差での逆転だったことが分かる。長年「アクティブファンドの方が資産規模は大きい」というのが業界の常識だったところに、ついに歴史的な転換点が訪れたということになる。
なぜここまで拮抗した末に逆転したのか
この逆転の直接的な要因として指摘されているのは、新NISAの人気拡大と、インデックスファンドの低コスト化だ。新NISAの「つみたて投資枠」の対象商品を見ると、インデックス型が286本であるのに対し、アクティブ型は72本、ETFが9本と、選択肢の数自体でインデックス型が圧倒的に多い。制度設計そのものが、長期・分散・低コストを軸とするインデックス型を後押しする形になっているというのが大きい。
「初心者が増えたから」なのか、事実と推測を分けて考える
ここで気になったのが、この逆転が「投資初心者が増えて、その人たちがインデックスファンドを選んだ結果」なのか、という点だ。正直に言うと、この因果関係を直接裏付けるデータは今回確認できなかった。確認できた事実は、①インデックス型の純資産総額がアクティブ型を上回ったこと、②新NISAのつみたて投資枠の対象商品はインデックス型が圧倒的に多いこと、の2点だ。そこから「初心者層の増加が主因だ」と断定するのは、推測の域を出ない。ただし、新NISA開始以降、投資経験の浅い層の資金流入が増えていること自体は各種報道で繰り返し指摘されており、その資金の多くがつみたて投資枠経由でインデックス型に向かいやすい制度構造になっていることを踏まえると、初心者層の拡大がこの逆転の一因になっている可能性は十分に考えられる、というのが今回調べてみての率直な感想だ。
アクティブファンドが「悪い」わけではない
誤解しないでほしいのは、この逆転は「アクティブファンドがダメになった」という話ではないという点だ。アクティブファンドの中には、実際にインデックスを上回るリターンを出し続けているファンドも存在する。ただ、平均的に見ると、信託報酬(運用にかかるコスト)がインデックス型より高くなりがちなアクティブ型は、そのコスト差を上回るリターンを継続的に出すことが簡単ではない、というのが一般的な傾向として知られている。長期の資産形成という観点では、コストを抑えて市場平均に近いリターンを狙うインデックス型が選ばれやすくなる、というのは合理的な流れだとも言える。
投資家目線:自分のポートフォリオを振り返って
自分自身、eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)への積立を軸にしたインデックス投資を続けているが、今回の逆転ニュースを見て、自分がやっていることが「特別な選択」ではなく、むしろ多くの個人投資家が向かっている方向と一致してきているのだと感じた。派手なリターンを狙うより、コストを抑えて淡々と積み立てる、という地味な選択が、結果的に資金の集まる先になっているというのは、興味深い巡り合わせだと思う。
💡 補足
・「インデックスファンド」は日経平均やS&P500など特定の指数に連動する運用を目指す投資信託。「アクティブファンド」は運用担当者の判断で指数を上回るリターンを狙う投資信託
・一般的にアクティブファンドの信託報酬は年1%前後、インデックスファンドは年0.1%前後のものも多く、コスト差は長期になるほどリターンに影響しやすい
📊 加藤智也の分析メモ
「初心者が増えたからインデックスが逆転した」と決めつけたくなったが、調べてみると裏付けられる事実は限定的で、推測の部分は正直にそう書くしかないと気づいた。派手な結論に飛びつく前に、確認できる事実とできない事実を分けて考える癖を、改めて大事にしたいと思った一件だった。
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品への投資を推奨するものではありません。統計データは2026年9月時点で公表されている情報に基づいており、今後の集計・改定により内容が変わる可能性があります。投資判断はご自身の責任で行ってください。


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