銀行の普通預金の金利が、目に見えて上がり始めた。三菱UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行の3メガバンクは、11月2日から普通預金の金利を年0.5%に引き上げる。年0.5%は1992年8月以来、約34年ぶりの水準だという。
ネット銀行はもっと先を行っていて、あおぞら銀行の「BANK」は100万円までなら年1.2%。「銀行にお金を置いても増えない」という常識が、少しずつ変わってきている。
実は私は今月から、修繕費や家電の買い替えのために毎月2万円を「特別費」として預金で積み立て始めた(修繕費の記事)。そのお金をどこに置くかを考えるために、10〜11月の普通預金の金利を整理してみた。
10〜11月の普通預金金利の引き上げ一覧
| 銀行 | 改定前 | 改定後 | いつから |
|---|---|---|---|
| あおぞら銀行 BANK(100万円まで) | 年1.0% | 年1.2% | 10月1日 |
| あおぞら銀行 BANK(100万円を超える部分) | 年0.65% | 年0.75% | 10月1日 |
| みんなの銀行 | 年0.5% | 年0.6% | 10月19日 |
| ドコモSMTBネット銀行(旧住信SBI)SBIハイブリッド預金 | 年0.41% | 年0.51% | 10月1日 |
| ドコモSMTBネット銀行 普通預金 | 年0.40% | 年0.50% | 10月1日 |
| auじぶん銀行 | 年0.41% | 年0.51% | 11月1日 |
| PayPay銀行 | 年0.3% | 年0.4% | 11月1日 |
| 三菱UFJ・三井住友・みずほ | 年0.4% | 年0.5% | 11月2日 |
| 楽天銀行(マネーブリッジの優遇なし) | 年0.4% | 年0.5% | 11月2日 |
| ゆうちょ銀行(通常貯金) | 年0.4% | 年0.5% | 11月9日 |
きっかけは、日銀が9月に政策金利を1.25%に上げたことだ。日銀の利上げに合わせて、銀行も預金の金利を順番に上げている。メガバンクやゆうちょが0.5%にそろう一方で、あおぞら銀行やみんなの銀行のように、それより高い金利で預金を集めようとする銀行も出てきた。
100万円預けると、利息はいくらになる?
金利の数字だけ見ても実感がわかないので、100万円を1年間預けた場合で計算してみた。預金の利息には20.315%の税金がかかるので、実際に受け取れる金額(税引き後)も並べておく。
| 金利 | 利息(税引き前) | 受け取れる利息(税引き後) |
|---|---|---|
| 年0.001%(数年前のメガバンク) | 10円 | 約8円 |
| 年0.5%(11月からのメガバンク) | 5,000円 | 約3,984円 |
| 年0.6%(みんなの銀行) | 6,000円 | 約4,781円 |
| 年1.2%(あおぞら銀行 BANK) | 12,000円 | 約9,562円 |
数年前まで、100万円を預けても利息は1年で10円ほどだった。それが今は約4,000円、銀行によっては約1万円になる。同じ100万円でも、どこに置くかで年に6,000円近く差がつく。
金利の高い銀行を選ぶときの注意点
- 金額の上限がある:あおぞら銀行 BANKの1.2%は100万円まで。それを超える部分は0.75%になる
- 条件つきの「最大◯%」に注意:「最大0.85%」のような表示は、ほかのサービスの利用などの条件を満たした場合のことが多い。自分が条件を満たせるかを先に確認したい
- 預金保険は1,000万円まで:銀行が破綻したとき、預金保険で守られるのは1つの銀行につき元本1,000万円とその利息まで
- 金利は変わる:今回は上がる方向だが、日銀の方針しだいで下がることもある
加藤智也の視点:「特別費」の置き場所をどうするか
私はSBI証券を使っているので、旧住信SBIネット銀行(今のドコモSMTBネット銀行)のSBIハイブリッド預金を長く使っている。そこが10月1日から年0.51%になった。入金方法の記事でも書いたとおり、このお金はそのまま株や投資信託を買う資金になるので便利だ。
ただ、今月から始めた「特別費」は、外壁や給湯器のような数年以内に使うお金だ。投資に回すお金と同じ口座に置いておくと、つい投資に使ってしまいそうな気もする。金利だけで見ればあおぞら銀行の1.2%が魅力的だけれど、月2万円の積立なら、1年たっても24万円。金利の差による利息の違いは、1年目は年に千円ほどにしかならない。
なので私の結論は、「金利の高さより、生活費とも投資資金とも分けておけること」を優先する、だ。少額のうちは、使いやすさと管理のしやすさの方が大事だと思っている。金額が大きくなってきたら、高金利の銀行に移すことを考えたい。
そしてもう一つ感じたのは、預金金利が上がっても、物価の上がり方にはまだ追いついていないということだ。0.5%の利息では、2〜3%の値上げ(食品値上げの記事)は埋められない。すぐ使うお金は預金、長く置いておくお金はNISAで投資、という分け方は、金利が上がった今も変わらないと思う。
💡 補足
・普通預金の金利は年率で、利息は銀行ごとに決まった時期(年2回など)にまとめて支払われることが多い
・預金の利息には20.315%(所得税15%・復興特別所得税0.315%・住民税5%)が源泉分離課税でかかり、確定申告はいらない
・SBIハイブリッド預金は、ドコモSMTBネット銀行の中にあるSBI証券専用の預金で、残高がSBI証券の買付余力に自動で反映される
・金利は2026年10月4日時点で各行が発表している内容。今後変わることがある
📊 加藤智也の分析メモ
「預金は増えない」が当たり前だった時代は、終わりかけている。とはいえ、0.5%の利息は物価上昇には負けている。大事なのは、お金を「すぐ使う」「数年以内に使う」「長く置いておく」の3つに分けて、それぞれに合った置き場所を選ぶことだと思う。金利の数字に飛びつく前に、そのお金がいつ必要になるのかを先に決めておきたい。
※本記事は各銀行の公表情報・報道をもとにした2026年10月4日時点の情報提供を目的としており、特定の金融機関や商品の利用を推奨するものではありません。金利や条件は変更される場合があるため、利用前に各行の公式情報をご確認ください。


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