年金は信じるな──アメリカ社会保障基金「2034年消滅」が示す、自分で備える時代の到来

マクロ・資産防衛

「アメリカの年金基金が2034年に枯渇する」という試算を確認した

先日、米国の社会保障制度に関するレポートを読んでいて驚くデータに出会った。米国社会保障局(SSA)が毎年発表する信託基金レポートを確認すると、現在の給付水準を維持した場合、OASI(老齢・遺族保険)信託基金は2033〜2034年頃に準備金が枯渇する可能性があるというのだ。

枯渇後も税収は入ってくるため「完全ゼロ」にはならないが、給付水準が自動的に約20〜25%カットされる試算だという。アメリカですら、公的年金が「約束通り受け取れない」リスクが現実化しつつある。

日本の年金問題と本質は同じ

これは対岸の火事ではない。日本の公的年金も少子高齢化の影響で、将来の給付水準が現役世代の期待を下回る可能性が指摘されている。2019年に話題になった「老後2000万円問題」もその文脈の話だった。

私が投資を始めたのは10年ほど前だが、きっかけのひとつは「年金だけに頼るのは危うい」という直感だった。今思えば、あの直感は正しかった。インデックス投資を軸にVOO・VT・SPYD・VYMなどのETFを積み上げてきたことが、今のポートフォリオの基盤になっている。

「自分で備える」以外の選択肢はない時代になった

公的年金制度が破綻するとは思っていない。ただ、受け取れる金額が今の試算より減る可能性は十分あると思っている。そのことを前提に、今から動いておく必要がある。

私が2026年に行ったのは、成長型ファンドから配当型ファンドへの大幅なシフトだ。SBI・S・米国高配当株式ファンドに約460万円を移したのは、「老後のキャッシュフローを厚くする」という目的が大きかった。年金だけでは足りない部分を配当・分配金で補う構造を今のうちから作っておきたいと考えている。

米国社会保障基金の問題は、日米共通の「公的年金への過信リスク」を再確認させてくれる良い機会だったと思っている。

私自身、「年金だけで老後を乗り越えられる」とはまったく思っていない。アメリカの話だが、日本の年金も人口動態の変化で給付水準の維持は難しくなっている。だからiDeCoとNISAを両方使い、毎月のオルカン積立を続けている。「年金が心配だから投資する」というネガティブな動機より、「自分の老後は自分で設計する」というポジティブな発想で続けている方が、長続きすると感じている。

迷っている方の参考になれば十分です。売買の判断はご自身の責任でどうぞ。

💡 補足

・米国社会保障局(SSA)が管理するOASDI信託基金は、枯渇後も税収からの給付は続くが、給付水準は約77%程度に自動的に減額される見込みとされている
・日本の公的年金も「マクロ経済スライド」という仕組みで、少子高齢化に応じて給付水準が自動調整される構造になっている

📊 加藤智也の分析メモ

アメリカの年金基金の話を日本と切り離して見るのは危険だと感じた。制度は違っても「支える人口が減れば給付は下がる」という構造は共通している。

なお、支給開始年齢の話を詳しく書いた後編は別の記事でも書いているので、興味があれば合わせて読んでほしい。

支給開始年齢の行方については後編で詳しく書いた。(年金は信じるな【後編】)

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