40兆ドルという数字を見て、しばらく動けなくなった
米国の国債残高が40兆ドルを超えたというニュースを読んだとき、正直ピンとこなかった。日本円で6000兆円近い。GDPを超える借金を抱えた国の通貨と国債を世界が買い続けているのは、なぜなのか。調べ始めたら「YCC」「ベセント」「ウォーシュ」という3つのキーワードが出てきた。
YCC(イールドカーブ・コントロール)は米国でも起きうるか
日本はかつて長期金利の上限を固定するYCCを導入した。米国ではまだ公式には導入していないが、財政規模が拡大するほど「金利を人為的に抑えたい」圧力が高まる。金利が上がりすぎると利払い費が膨らんで財政が詰まるからだ。米国版YCCが来ると、長期債利回りが抑えられ、金・不動産・株が恩恵を受けやすくなる。
ベセントとウォーシュの役割
スコット・ベセントは財務長官として財政の持続性を訴える立場。ケビン・ウォーシュはFRB議長候補として名前が挙がった人物で、インフレ抑制を優先する姿勢が知られている。この2人の方向性が同じか対立するかで、金融政策と財政政策の協調具合が変わる。協調できれば市場は安定しやすく、対立すれば金利と株のボラティリティが上がる。
個人投資家としての受け止め方
僕は2026年7月にオルカン・S&P500の一部を解約してSBI米国高配当株ファンドにシフトした。理由の一つが「金利が高止まりする局面では成長型よりインカム重視が安全圏では」という判断だ。40兆ドルの借金問題は一夜にして解決しない。この構造的な問題を頭に入れた上で、ポートフォリオのバランスを取っていく。
「国の借金問題」が個人投資家に影響する場面
米国の債務が40兆ドルを超えたという話は、「大きな数字のニュース」として流れがちだ。しかし個人投資家として気にすべきポイントは「これが長期金利にどう影響するか」だ。財政赤字が続くと国債の発行が増え、金利上昇圧力になりやすい。金利が上がると株価、特に成長株の評価が下がりやすい。
私がNVDA・TSM・META・AAPLを保有しているのは、これらが短期の金利変動で本質的な価値が変わるとは思っていないからだ。ただ、金利上昇局面では「利益が出ていても株価が下がる」という経験を2022年にした。「業績は良いのになぜ下がるのか」という問いへの答えが、この財政・金利・YCCの話につながっている。
ベセントやウォーシュの動向を追うのは「相場の動きを当てるため」ではなく、「なぜ今の相場がこう動いているのか」を理解するためだ。理解していると、株価の動きに驚かなくなる。それだけで投資の失敗は減ると思っている。
迷っている方の参考になれば十分です。売買の判断はご自身の責任でどうぞ。
・YCC(イールドカーブ・コントロール)は中央銀行が特定年限の金利水準を目標に誘導する政策で、日本銀行も2016年から2024年まで採用していた
・米国の連邦債務残高は2025年に35兆ドルを超え、その後も拡大が続いている
財政・金利の構造を理解してから、「業績は良いのに株価が下がる」局面に驚かなくなった。マクロを理解する目的は予測を当てることではなく、動じないことだと思っている。
なお、ベセント財務長官の国債買い戻し計画の話は別の記事でも書いているので、興味があれば合わせて読んでほしい。
この国債買い戻し計画については別記事で詳しく書いた。(ベセントの国債買い戻し計画の記事)


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