以前、SBI証券のクレカ積立で三井住友カードを選んでいる理由を書いたが、「楽天カード×楽天証券の組み合わせと比べてどっちが本当に得なのか」というのは、実は自分でもきちんと計算したことがなかった。せっかくなので数字で比較してみることにした。
クレカ積立の還元率だけを比べると、意外と拮抗している
楽天証券のクレカ積立は、楽天カード(通常、年会費無料)で0.5%、楽天ゴールドカードで0.75%、楽天プレミアムカードで1%、最上位の楽天ブラックカードで2%の還元率になっている。一方SBI証券は、三井住友カード(NL)で0.5%、ゴールド(NL)で1.0%、プラチナプリファードで最大3.0%(上限あり)という設計だ。年会費無料〜1万円クラスの中位カードで比べると、還元率自体はそこまで大きな差がなく、最上位カード同士で比べて初めて三井住友側が優位に見えてくる、というのが実際の数字を並べてみた印象だった。
差がつくのは「積立以外」の経済圏の広さ
還元率だけを見ると拮抗しているのに、世間的に「楽天経済圏」「三井住友(SBI)経済圏」という言葉が独り歩きしているのは、積立以外の生活圏での還元の広さが影響している。楽天経済圏は、楽天市場でのお買い物・楽天モバイル・楽天でんき・楽天保険など、生活のあらゆる場面を楽天ポイント経済圏に取り込む「面」の広さが強みだ。一方の三井住友(SBI)側は、以前取り上げたOlive Infiniteのように、預金残高とSBI証券の資産残高をセットで評価する「富裕層の資産を丸ごと囲い込む」方向に強みがある。同じ「経済圏」でも、狙っている客層と広げ方の方向性がまったく違うということが、比較してみて改めて分かった。
自分の場合で試算してみる
自分は現状、月10万円のオルカン積立を三井住友カード プラチナプリファードで行っており、年間36,000ポイントが貯まる計算だ。仮にこれを楽天カードの最上位である楽天ブラックカード(還元率2%、年会費33,000円程度)に置き換えたとすると、年間の還元は24,000円相当になる計算で、単純な積立還元だけならプラチナプリファードの方に軍配が上がる。ただし、自分は楽天市場でのお買い物をほとんどしないため、楽天経済圏の「面」の強みをそもそも活かせない生活スタイルだ。逆に、普段から楽天市場や楽天モバイルを使っている人であれば、積立の還元率で多少見劣りしても、生活全体でのポイント還元は楽天経済圏の方が上回る可能性は十分にある。
「どっちが得か」より「自分の生活動線に合っているか」
今回試算してみて感じたのは、クレカ積立の還元率という一点だけで経済圏を選ぶのはもったいないということだ。証券口座・カード・携帯電話・電気・保険といった生活のインフラをどのグループにどれだけ集約できるかによって、トータルの得な度合いは大きく変わってくる。普段の生活動線の中に楽天のサービスが多いなら楽天経済圏、証券口座の資産形成をメインに考えるなら三井住友(SBI)経済圏、という住み分けが現実的な判断基準になりそうだ。
投資家目線:経済圏選びも資産形成の一部
ポイント還元は小さな金額に見えるかもしれないが、年間数万円単位で積み重なれば、その分を投資信託の追加購入や生活防衛資金に回すことができる。「どの経済圏が絶対的に得か」という正解を探すより、自分の生活動線に一番フィットする経済圏を選び、浮いたポイントを着実に資産形成へ回す、という発想の方が長期的には効果が大きいと感じている。
💡 補足
・「経済圏」とは、特定の企業グループが提供する複数のサービス(カード・通販・通信・銀行・証券など)を組み合わせて利用することで、ポイント還元やお得さが最大化される仕組みのこと
・還元率は各社の判断で変更されることがあるため、実際に選ぶ際は必ず最新の公式情報を確認することが大切
📊 加藤智也の分析メモ
「どっちが得か」という単純な比較で終わらせようとしたが、実際に数字を並べてみると、自分の生活スタイルによって答えが変わるという当たり前の結論にたどり着いた。それでも、感覚ではなく数字で比較したことで、自分の選択に根拠を持てるようになったのは収穫だったと思う。
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定のカード・証券会社への乗り換えを推奨するものではありません。還元率・条件は2026年9月時点の公開情報に基づいており、各社の制度変更により内容が変わる可能性があります。最新情報は各社公式サイトでご確認ください。


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