「金利のある世界」がやってきた──日本のお金の常識が10年ぶりに変わる

「金利のある世界」がやってきた──日本のお金の常識が10年ぶりに変わる - 加藤智也ノートのアイキャッチ画像 マクロ・資産防衛

「普通預金に利息がつく」という感覚を、久しぶりに思い出した

銀行の通帳を見て、久しぶりに「利息」という文字が目に入った。金額は微々たるものだったが、ゼロ金利に慣れ切っていた私には少し新鮮な感覚だった。日本銀行が金融緩和を段階的に縮小し始め、政策金利が動き出したのだ。

「金利のある世界」が戻ってきた。これは私たちの資産運用の常識を変えうる転換点だと感じている。

ゼロ金利時代に染みついた「貯金しても意味がない」という感覚

10年以上、預金の金利はほぼゼロだった。だから私も含め多くの人が「現金を持っても意味がない」という感覚でリスク資産に向かった。株式・投資信託・ETFへの資金流入が増えたのはそのためだ。

ところが今、状況が変わってきた。定期預金や個人向け国債に、少しずつ実質的な金利がつき始めている。「安全に置いておく先」に選択肢が生まれた。

金利上昇は株式投資にとって何を意味するか

金利が上がると、債券の魅力が上がり、相対的に株式の割高感が意識されやすくなる。実際に私が保有するHYGやJNKなどの社債ETFは、金利上昇局面でダメージを受けた。含み損を抱えながらも保有し続けているのは、高い分配利回りを考えてのことだが、正直なところ判断が難しい局面が続いている。

一方で、三菱UFJや三井住友FGのような銀行株は金利上昇で恩恵を受けやすい。私の日本株ポートフォリオにはこの2社が入っており、2023年以降の上昇にはそれなりに乗れた。

ゼロ金利前提で作ったポートフォリオは、見直しのタイミングかもしれない。全部変える必要はないが、現金・国債・株式のバランスを少し意識するだけでも、リスクの取り方が変わってくる。

「金利のある世界」で私のポートフォリオに起きたこと

日本の金利が上がってきた局面で、私のポートフォリオで一番変わったのは「現金の扱い方」だ。ゼロ金利の時代は、現金で置いておくことに意味がほぼなかった。でも今は高金利の定期預金や個人向け国債という選択肢が出てきた。

私が保有しているJNK・HYGなどのハイイールド債ETFは若干の含み損が出ているが、毎月の分配金を受け取りながら長期保有の方針だ。日本の金利上昇が円高方向に動けば、米ドル資産の円換算評価が下がる可能性もある。為替リスクは頭に入れながら、それでも米国資産を主軸にしている。

「金利のある世界」は「全てが株式」でなくても良い環境だということを意味する。でも株式の長期リターンが金利よりも高いという歴史的事実は変わらない。私のスタンスは「金利のある世界でも株式投資を続ける、ただし現金や債券の役割を再評価する」だ。10年前より選択肢が増えたことをポジティブに捉えている。

迷っている方の参考になれば十分です。売買の判断はご自身の責任でどうぞ。

💡 補足

・日本銀行は2024年にマイナス金利政策を解除し、その後段階的に政策金利を引き上げる方向に転換した
・大手銀行の定期預金金利もゼロ金利時代の0.002%前後から、徐々に上昇傾向にある

📊 加藤智也の分析メモ

通帳に「利息」の文字を見て新鮮に感じたのは、それだけゼロ金利に慣れきっていたということだと思う。金利のある世界では、現金や預金の役割も見直す必要があると感じている。

なお、住宅ローンを借りている人への影響は別の記事でも書いているので、興味があれば合わせて読んでほしい。

預金・国債・株式のどれを選ぶべきかは別記事で比較した。(預金・国債・株式の3択の記事)

コメント

タイトルとURLをコピーしました