プライオリティパスに感動した話——プラチナカードは本当に元が取れるのか

プライオリティパスに感動した話——プラチナカードは本当に元が取れるのか - 加藤智也ノートのアイキャッチ画像 節税・制度活用

シリーズの最後は、プラチナ・ブラックカードについて。年会費が一気に跳ね上がるグレードだが、結論から言うと「使いこなせば十分に元が取れる」というのが自分の実感だ。中でもプライオリティパスは、実際に使ってみて感動した特典なので、今回はその体験も交えて紹介したい。

プラチナカードで年会費は一気に跳ね上がる

ゴールドカードの年会費が数千円〜1万円台なのに対し、プラチナカードになると年会費は2万円台〜10万円近くまで一気に上がる。数字だけ見ると身構えてしまうが、その分だけ特典の質と量も跳ね上がる。空港ラウンジの利用権はもちろん、24時間対応のコンシェルジュサービス、手厚い旅行傷害保険、レストランの優待予約など、日常ではなかなか体験しない「非日常のサービス」が一通り揃ってくる。

プライオリティパス、実際に使ってみた話

以前、名古屋から台湾へ向かう便に乗る機会があり、手持ちのプラチナカードに付帯していたプライオリティパスを初めて使ってみた。空港のラウンジに入ってまず驚いたのが、軽食からアルコール、デザートまで一通り無料で楽しめるという点だった。搭乗ゲート前の混雑した待合スペースとはまったく違う、静かで落ち着いた空間で、大きな窓から滑走路を眺めながら、出発時刻ぎりぎりまでゆっくりくつろいで過ごすことができた。正直、それまで空港での待ち時間は「早く搭乗したい」としか思っていなかったが、この体験以降、「旅の一部として空港での時間を楽しめる」という感覚に変わった。年会費を払ってでも持つ価値があると心から思えた瞬間だった。

プライオリティパスの基本情報と、知っておきたい改定

プライオリティパスは世界1,700カ所以上の空港ラウンジで使える、国際的な空港ラウンジサービスだ。三菱UFJカードのプラチナ・アメックスをはじめ、複数のプラチナカードに無料で付帯している。ただし一つ注意したいのが、2026年12月2日から利用ルールが変更される点だ。これまで年間の利用回数に上限がなかったカードでも、今後は無料で使えるのが年10回までとなり、11回目以降は1回あたり35米ドルの負担が発生するようになる。頻繁に海外出張・旅行をする人にとっては地味に効いてくる改定なので、プラチナカードを検討している人は、この変更点も踏まえて特典の使い方を考えておくといいと思う。

年会費を抑えつつプラチナの特典を持つ選択肢

プラチナカードの中には、比較的抑えめの年会費で持てるものもある。例えば「apollostation THE PLATINUM」は年会費22,000円のプラチナカードだ。以前はプライオリティパスが年間30回まで無料という太っ腹な条件だったが、その後改悪され、現在は年間5回までに縮小されている(この記事を書いた後に気づいたので訂正しておきたい)。とはいえショッピング利用額が年間300万円以上に達すると翌年度の年会費が無料になる仕組みは残っており、年間300万円というと大きな金額に見えるが、家賃や公共料金、保険料などの固定費をこのカードに集約すれば、決して届かない水準ではない人もいるはずだ。ただし回数改悪後は、プライオリティパスを主目的にこのカードを選ぶ魅力は以前より下がったと言わざるを得ない。

「元が取れる」のか、投資家目線で考える

プラチナカードの年会費を「取り戻せるかどうか」は、特典をどれだけ実際に使うかにかかっている。プライオリティパスを年に数回使うだけでも、1回あたりの飲食代や休憩スペースの価値を考えれば、数千円〜1万円程度の価値は十分にある。旅行傷害保険も、別途旅行保険に加入する場合の保険料と比較すれば、実質的に節約できている部分がある。年会費という「固定費」に対して、実際に使い倒すことで「元を取る」という発想を持てるかどうかが、プラチナカードを持つ価値を左右すると感じている。

驚きの事実:条件次第で「無料」になるプラチナ・ブラックカードもある

ここまで「プラチナは年会費が高い」という前提で話してきたが、実は条件を満たせば年会費が無料になるプラチナ・ブラッククラスのカードも存在する。先述のapollostation THE PLATINUMは年間300万円の利用で無料になるし、三井住友銀行の最上位カード「Olive Infinite」(年会費99,000円)も、円預金残高500万円以上とSBI証券の残高500万円以上という条件を満たせば無料になる。以前、三菱UFJの「エムット Excellent Club」という富裕層向け会員組織について記事を書いたことがあるが、こうしたプラチナ・ブラッククラスのカードの無料化条件も、結局は銀行・証券会社が「まとまった資産をうちに置いてほしい」という狙いから設計されている点で、根っこは共通していると感じる。

クレカ比較シリーズを通して思うこと

ここまで4回にわたって、クレカの性格診断から年会費無料・ゴールド・プラチナまで比較してきたけど、結局のところ「万人にとっての正解」というカードは存在しないというのが率直な感想だ。自分自身、このカードのこのサービスは最高だと思っても、年会費とのバランスや自分の経済圏(楽天なのか、Amazonなのか、ドコモなのか)が違うと感じて悩むことが多い。

大事なのは、自分が今どの経済圏に軸足を置いているか、出張が多くマイルを貯めやすい生活かどうか、そして毎月クレカでの引き落としがおおよそどれくらいになりそうかを、一度きちんと把握してみることだと思う。クレカの種類はとんでもなくたくさんあるので、100点満点のカードを探そうとすると疲れてしまう。60点以上のカードは意外と見つかるけど、自分の経済圏・利用額にしっかり噛み合って80点以上が取れるカードを見つけられれば、それはもう十分すぎるくらいの「当たり」だと思う。このシリーズが、そんな1枚を見つけるきっかけになればうれしい。

💡 補足

・「プライオリティパス」は特定のカード会社ではなく、独立した空港ラウンジサービス会社が運営しており、複数のカード会社が特典として提携している
・年会費無料化の条件(利用額・資産残高)は各社の判断で変更されることがあるため、申し込み前に必ず最新の公式情報を確認することが大切

📊 加藤智也の分析メモ

プライオリティパスを実際に使うまでは、プラチナカードの年会費は正直「高い」という印象しかなかった。しかし一度あの空間を体験してしまうと、単なる数字以上の価値があると実感できた。特典は「知っている」だけでなく「実際に使ってみる」ことで初めて本当の価値がわかるのだと、今回のシリーズを通して改めて感じた。

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定のカード・金融商品への加入を推奨するものではありません。年会費・特典内容は2026年9月時点の公開情報に基づいており、各社の制度変更により内容が変わる可能性があります(プライオリティパスは2026年12月2日から利用回数制限が導入される予定)。最新情報は各社公式サイトでご確認ください。

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