「奨学金の落とし穴」卒業したら金利が跳ね上がっていた──金利は入学時ではなく“卒業時”に決まる。知らないと後悔する話

「奨学金の落とし穴」卒業したら金利が跳ね上がっていた──金利は入学時ではなく“卒業時”に決まる。知らないと後悔する話 - 加藤智也ノートのアイキャッチ画像 マクロ・資産防衛

「奨学金の金利は入学時に決まる」という誤解

少し前、知人の子どもが大学進学を控えていて、奨学金の話になった。そこで私が驚いたのは、「利率固定型を選ぶから安心」という話の中で、「金利は借りるときに決まる」という前提が間違っている可能性があることに気づいた場面だ。

日本学生支援機構(JASSO)の第二種奨学金の場合、「利率固定型」の金利は返還開始時(つまり卒業の翌年)に決まる。入学時ではないのだ。これを知らずに「固定だから安心」と思っている人は多い。

なぜこれが問題になるのか

金利が低い時期に入学した場合、「固定型にしておけば低金利が確定する」と思いがちだ。でも実際には、卒業するまでの数年間で金利環境が変われば、その時点の金利が適用される。2026年現在、日本の金利は上昇トレンドにある。つまり今の大学1〜2年生が卒業するころに、どの金利水準になっているかは誰にもわからない。

変動型を選んでいた場合も、返還中に金利が上がれば毎月の負担が増える。奨学金は「借金」だという意識が薄いまま借りて、社会人になってから苦労するケースが後を絶たない。

投資を始める前に、奨学金残高を確認する

私自身は奨学金を借りた経験があり、返し終わったのは30代に入ってからだった。社会人になって「投資を始めたい」と思ったとき、まず確認すべきは奨学金の残高と金利だと思っている。

奨学金の金利が2〜3%なら、同じ金額を投資に回すより繰り上げ返済の方が合理的なケースもある。リスクゼロで確実にリターンが得られるからだ。奨学金は「学びへの投資」でもあるが、返済計画を立てないまま放置するのは危険だ。

奨学金を「負債」として意識した経験から

奨学金問題は他人事ではない。私自身も返済経験があり、社会人になって初めて「これは借金だった」と実感した。学生時代は「返せる金額だろう」と軽く考えていたが、就職後の手取りと毎月の返済額を見て、少しびっくりした記憶がある。

奨学金の怖さは「金利が卒業後に確定する」という構造だ。入学時に借りる際、変動型の場合は卒業時の金利水準が適用されることがある。低金利の時代に借りた人は恵まれていたが、これから借りる人や、すでに可変型で返済中の人は金利上昇の影響を受ける可能性がある。

奨学金は「投資のための資金」ではなく「教育費の前払い」だ。返済中に投資を始めるかどうかは、返済金利と投資リターンを比較して判断するべきだ。金利が0.5%の奨学金と、年5〜7%のインデックス投資なら投資優先でいいかもしれない。しかし金利が3〜5%なら返済を急いだほうが合理的な場合もある。ご自身の奨学金の条件を確認してほしい。

投資はあくまで自己責任。こういう角度から見ると面白いと感じてもらえたなら嬉しいです。

💡 補足

・日本学生支援機構(JASSO)第二種奨学金の利率固定型は、実際の金利が返還開始時点(卒業時)の水準で確定する仕組み
・利率見直し型を選ぶと、返済期間中に市場金利に応じて適用利率が変動する

📊 加藤智也の分析メモ

知人の子どもの話を聞くまで、自分も「入学時に金利が決まる」と思い込んでいた。身近な人の具体的な事例を聞くことで、制度の誤解に気づけることは多い。

低リスクでお金を置く場所という意味では、預金・国債・株式を比較した記事も参考になる。(預金・国債・株式の3択の記事)

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