アクティブファンドの勝率、15年でわずか2割——SPIVAレポートが示す不都合な真実

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「プロが運用しているアクティブファンドの方が、素人が指数に連動させるだけのインデックスファンドより成績がいいはずだ」——そう考える人は今でも少なくないと思う。しかし実際のデータを調べてみると、この直感はかなりの部分で裏切られるという結果が出ていた。

日本株アクティブファンドの「勝率」は15年で2割以下

S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが発行している「SPIVA(Sペーインデックス対アクティブ)」という調査レポートがある。これは、実際に運用されているアクティブファンドの成績が、対応するインデックス(ベンチマーク)をどれだけ上回れているかを継続的に追跡している調査だ。2025年末時点のデータによると、日本の大型株を対象とするアクティブファンドのうち、10年間でベンチマークに負けた割合は83.38%、15年間では80.38%にのぼるという。つまり、長期で見ると日本株アクティブファンドの「勝率」は2割程度しかないということになる。

グローバル株式では、さらに厳しい結果に

もっと衝撃的なのが、グローバル株式・国際株式・新興国株式を対象にしたアクティブファンドの成績だ。同じSPIVAのデータでは、10年・15年という長期スパンで見ると、なんと100%のファンドがベンチマークに負けているという結果になっている。つまり、この期間だけを見れば、グローバル株式に投資するアクティブファンドを選んで、指数を上回れたファンドは一つもなかったということだ。

なぜ「プロ」が指数に勝てないのか

直感的には意外に思えるかもしれないが、これにはいくつかの構造的な理由がある。まず、アクティブファンドは銘柄選定や調査のためのコスト(信託報酬)がインデックスファンドより高くなりがちで、このコスト差がそのままリターンの差として積み重なっていく。また、市場に参加しているプロの投資家同士が互いに競い合っている以上、平均すればプロ全体のリターンは市場平均(指数)に近づかざるを得ず、そこから手数料を引いた分だけ、平均的なアクティブファンドは指数に負けやすい構造になっている。短期的にたまたま良い成績を出すファンドはあっても、それを何年も継続できるファンドはごく一部に限られる、というのがこのデータから読み取れる実態だ。

「短期は健闘」でも「長期は劣後」という傾向

興味深いのは、2025年単年で見ると日本の大型株アクティブファンドは相対的に健闘していた、という点だ。短期的には市場環境によってアクティブ運用が功を奏す局面もある。しかし10年・15年という長期で見ると、その健闘が長続きせず、多くのファンドが指数に負けてしまうというのがSPIVAの一貫した傾向だ。「今年は調子がいいから」という理由でアクティブファンドを選んでも、長期で持ち続けた場合に指数を上回れる保証はどこにもない、ということになる。

初心者にこそインデックスファンドを勧めたい理由

ここまでのデータを踏まえると、特に投資初心者には、まずインデックスファンドを軸にすることを勧めたい。理由は単純で、「プロが選んだファンドを選べば安心」という発想自体が、統計的にはあまり支持されないからだ。個別のアクティブファンドの中に、指数を上回り続けている優秀なファンドが存在するのは事実だが、それを事前に見抜くことは、プロでも簡単ではない。であれば、最初から「市場平均に、低コストで乗り続ける」というインデックス投資を選ぶ方が、再現性の高い戦略だと言える。

投資家目線:「勝率」で考える習慣

個別銘柄やファンドを選ぶとき、つい「当たれば大きい」という視点に目を奪われがちだが、今回のデータを見て、「そもそも勝率はどれくらいか」という視点を持つことの大切さを改めて感じた。派手なリターンを狙う前に、まず負けにくい選択をする、という発想は、投資に限らずどんな分野でも通用する考え方だと思う。

💡 補足

・「SPIVA」はS&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが定期的に公表している、アクティブファンドとインデックス(ベンチマーク)の成績を比較する調査レポート
・「ベンチマーク」とは、ファンドの運用成績を評価する際の基準となる指数のこと。日本株ファンドならTOPIXや日経平均などが使われることが多い

📊 加藤智也の分析メモ

「プロに任せた方が安心」という思い込みが、データを見ると必ずしも正しくないと分かり、少し衝撃を受けた。派手な運用成績のアピールに惹かれそうになったときほど、こうした長期の勝率データを思い出すようにしたい。

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品への投資を推奨するものではありません。統計データはSPIVA(S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス)による2025年末時点の公表情報に基づいており、今後の市場環境により傾向が変わる可能性があります。投資判断はご自身の責任で行ってください。

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